音を奏でるための部屋7

防音壁の施工が続く。 グラスウールを詰めて、石膏ボードで閉じていく作業を四方同様に行う。 さらに2枚目のボードを重ね貼りする。 とても地道な作業をひたすら繰り返していくが、 頭の中には常に完成したときのイメージが描かれている。 この時点で出来高55%ぐらいだ。

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長〜いテーブル2

連休中はずっと工場で製作を進める。 長テーブルのエッジの厚みを大きくするために エッジ周りだけをさらに複層した。 これはオーナーからの長テーブルだけを厚くしてほしいというご要望から 独自で考案した方法だ。 全体を同厚にするとテーブル自体の高さが上がってしまうため この方法を思いついた。 なぜならテーブル脚は既存使用のため 高さが決まっているからだ 3種類の天板の下地が完了した。 別の2種類がミニサイズに見えるが・・・ 木口の仕上げにメラミン化粧板を貼っていく。 アール加工は特に慎重に行う。 全ての木口を仕上げる。 それから天板を貼るための速乾ボンドを吹き付ける。 いよいよ最終仕上げの段階になる。 規格外のサイズなので仕上げメラミンは中心から2分割することにした。 天板貼り付けが終わったら、エッジの目地払いと面取りをする。 大方9割の加工が終わった。 何とか連休中に下準備ができた。 改装工事の段取りはこれから決めていくが、 下請け業者の見積もりとスケジュールも 集約して施主へ提示する。 結局今月は現場3件の掛け持ちとなる。 これでも制限しているが・・・ 今回はやるしかない。 …

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長〜いテーブル

緊急事態宣言の中、大型連休が始まった。 防音工事の現場はとりあえずお休みにしたが、 僕は別顧客からも注文を受けている。 連休中はどこにも行くことができないし、 誰とも会わないのであればと 工場でひとりで仕事をすることにした。 顧客は以前僕が設計施工した「Bar」のオーナーだが、 その後も長年お付き合いをさせていただいている。 その店はコロナウイルスの影響でずっと閉店せざるを得なくなっているのだが、 その間に改装工事をしたいというご要望だった。 飲食店などが厳しい状況と向き合っている中で、 建築関係の仕事が続けられることは 本当に感謝しなければならない。 そして受注したテーブル製作を連休中にやっておくことにした。 テーブルは3種類作るのだが、 その中でも特注サイズとなるのがこれだ。 長さは3.8メートル 4メートル近くもある単独のテーブルは完全に規格外だ。 合板を複層で組み合わせてその長さを作ることにした。 重さが心配だが、体を痛めないように気をつけなければならない。 幅と長さを決めたら4角をアール加工していく。 明日もゆっくり頑張ろう。

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ドイツと日本の共通点

うちのドイツ人アシスタントは元々友人なのだが、 仕事などの付き合いをしているうちに色々とドイツについての興味も増えてきた。 ドイツ人と日本人は性格が似ているということを以前から聞いてはいたが、 僕のアシスタントと仕事をしているとそれが事実だということを認識できる。 このキーホルダーはアシスタントからもらったものだ。 ちなみに、アシスタントの手作り。 器用であり、忍耐力もあることがよくわかる。 ちょっと一息入れて、ドイツと日本の面白い共通点を書きたいと思う。 それは言語のこと。 僕とアシスタントは普段は英語で話しているが、 こんなことがよくある。 例えば僕がこう問いかける These plasterboards thickness has 2 types that 9.5 Mm and 12.5 Mm. Did you know that? 日本語に訳すと 「この石膏ボードの厚みってさ、9.5ミリと12.5ミリの 2種類があるんだよ。知ってた?」 それを知らなかったアシスタントの口から とっさに飛び出す言葉がこれだ。 Ach so ! これ、ドイツ語だ。 その発音をあえてひらがなで書く。 「あっ そう!」 日本語の「ヘェ〜そうなんだ!」とか「あっ そうだったの!」 とか言うのと意味は全く同じ。 この Ach so ! …

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音を奏でるための部屋6

浮床が終わったら防音壁を作っていく。 石膏ボードを1枚張った下地枠を1スパンごとに立てていく。 浮き天井と浮床に接合して背面に空間を作る。 それからグラスウールを詰めていく。 さらに石膏ボードで閉じていく。 ボードの継ぎ目をコーキングし、ボードをもう一枚重ね貼りする。 このように躯体にはどこも接触していない状態を作る。 梁がある部分は浮き天井に直接接合できないため独自に施工法を考えた。 防振ゴムを躯体に接着させておき、下地枠をゴムに当てて固定する。 四方の壁を順序よく設置していく。 壁の背面は全て空間ができたことになる。

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音を奏でるための部屋5

躯体の基本的な防音が終わったら 防音工事の要とも言える施工を進めていく。 「浮床」を作る。 浮床専用の防振ゴムを水平に設置していく。 そしてきれいにグラスウールを敷き詰める。 躯体周囲には絶縁するためのウレタンボードを貼っているが、 本来は高密度の96Kグラスウールを貼るはずだった。 しかしこの沖縄ではどこの問屋も扱っていない。 昨年に本土の問屋へ問い合わせたが、 送料があまりにも高すぎて断念せざるを得なかった。 そこで仕方なく代用した。 次に5分合板を防振ゴムに乗せていく。 続けて目地をずらしながら2層目の合板を張っていく。 これを6層まで繰り返す。 通常は生コンクリートを流し込んで重い浮床にするのだが、 今回の現場には生コン車もポンプ車も設置することができなかったため 合板複層の浮床にすることにした。 合板とウレタンボードの間にあらかじめ隙間を作り、 2層目の段階でシリコンをクッション材として注入する。 96Kグラスウールならこれをする必要はない。 なぜならウレタンボードはわずかに音振動を伝えてしまうため 完璧な絶縁とはならない。 それで独自にクッションを設け、振動を伝わりにくくしたわけだ。 最終層で再度コーキングを行う。

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音を奏でるための部屋4

最も重要な部分の防音に取り掛かる。 それは窓。 まず、窓をロックした状態で隙間を全てコーキングする。 隙間風が全く入らなくなった時点で、外の騒音はかなり軽減される。 空気伝搬音を遮ったことになるが、これでは不十分だ。 例えばヘリコプターが飛んでいたとしたら、 その音は空気を伝わって窓にぶつかり、 振動音となって室内に聞こえてくる。 これが音の原理だ。 窓を覆うための石膏ボード二重張りパネルを作り、 窓ガラスおよびパネルに「ガイナ」を塗装する。 ガラス面には特殊な密着シーラーを塗っている。 ガイナを複数回塗り重ねる。 その目的は、吸音と結露防止だ。 梅雨時期や真冬に窓ガラスが結露することを誰もが経験していると思う。 その窓をパネルで覆って密閉するわけだから、その中で恐ろしい結露が発生することは 容易に予測できる。 それをガイナで防ぐわけだ。 それにガイナを塗っておけば、外側から窓を見た時に 白いフィルムが貼られているように見える。 塗装が乾いたらアルミ枠の周囲にシーリング材をたっぷり塗布し、 パネルを密着させて設置する。 これで隙間は完璧に塞がれたことになる。 そしてさらにグラスウールを詰めて吸音する。 窓枠外周のパネルとの隙間には発砲ウレタンを注入しておく。 厳重に施工できるところは抜かりなくやっておく。 …

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音を奏でるための部屋3

天井を作っていくのだが、 使用する部品や施工法も一般のやり方とは大きく変わる。 まずは吊りボルトが特殊になる。 ボルトが2段階になっていて中間にゴムが付いているのが防振ハンガーという部品だ。 スラブと天井を縁切りして振動音を伝えないようにする目的で使う。 例えばアパートなどでは、上階で子供が走り回る時の振動音が下階に響くことがよくある。 それは固体振動が吊りボルトに伝わり、天井板まで伝達されてしまうからである。 木下地が完了した。 1枚目の石膏ボードを張っていく。 周囲の壁とは4〜5センチの隙間を作り、絶縁する。 ボードの継ぎ目をコーキングし、空気伝搬音を遮る。 1枚目を張り終えたら、さらに2枚目の石膏ボードを張っていく。 さらに木下地を設置し グラスウールを設置していく。 ここで天井にも1回目の吸音効果を備えておく。 まだ、1回目だ。 グラスウールを埋め終わったら、もう一回石膏ボードを張る。 このように防音工事は「遮音」と「吸音」の両方を行なっていかなければならない。 ここで天井作業を一旦中断し、別の作業に取り掛かる。

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音を奏でるための部屋2

躯体壁の下地処理が終わったら、特殊な塗装を施す。 これは独自の施工法になる。 おそらく日本中で誰もやっていないだろう。 まず、通常のアクリルエマルジョン系シーラーを塗布する。 そして主材になるのがこの「ガイナ」だ。 この塗料の存在を知り、我が工場の外壁に遮熱塗装として利用したのが今から12年前。 そしてこの塗料が持つ複数の機能をスタジオ防音工事に利用したいと考えたのが今から6年前だった。 細かなセラミック粒子が含まれているこの塗料の機能は、 遮熱、吸音、防臭、防カビ、結露防止、 さらにはマイナスイオンを発生させて 森林の中にいる状態に近い環境を作り出す。 僕は自主研修として東京メーカー本社を12年前に訪問している。 それぐらい心を動かされた建築資材だったということだ。 そしてその「ガイナ」を躯体および排水管全てに塗布する。 さらに僕が経験した上での概念を詳しく説明すると 通常の住宅天井裏というのは「自然換気口」という穴が設けられている。 その理由は、天井裏が密閉空間になり空気がよどみ、生活空間との温度差も生じることで 「結露」が発生することを防ぐためである。 結露が発生する条件とは、その空間で「空気がよどむ」「隣空間との温度差が発生する」 ほぼこの2つだ。 氷水の入ったグラスの外側で結露が起こるのと同じことが天井裏でも起こるわけだ。 特に真夏…

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音を奏でるための部屋

同時進行で進めているもう一つの現場を紹介しよう。 以前から新築で進めている「音を極める場所」とジャンルは似ているが、 目的が大きく変わる。 そして僕は名付けた。 「音を奏でるための部屋」 まずはBeforeの写真から。 ここは一般住宅だが、施主家族が趣味で楽器を演奏しておられる。 実はこの部屋で演奏されているのだが、防音工事などは一切されていない。 もちろん近隣からの苦情は免れない。 それを解決するために、僕へ依頼が来たわけだ。 設計は1年前に終わらせていたので、じっくりとイメージトレーニングをすることができた。 準備は万全だ。 そして着工。 まずは既存の壁紙を全て剥がし、次に合板や下地木材、 そして不要なキッチンなどを撤去していく。 床も特殊防音床に変更するため、全て取り払う。 躯体をむき出しの状態にしたあとは、地道な下地処理が始まる。 床の境目にブロックを積み、防音浮き床の準備をしておく。 木解体をした後に発見した既存のブロック積みの壁は 隙間を全てセメントで埋めていく。 周囲の隙間や目地に至るまで、髪の毛一本も通らないように埋める。 実はこの初期作業が最も重要になる。 髪の毛一本も・・・つまり空気がほんの少しでも通ってはいけないということだ。 これが…

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