現場の空気を読む

工事現場では様々な業種の職人たちが日々駆けずり回っている。 特に仕上げ段階に近づいてくると、皆で気を使いながら動かないと商品を傷つけてしまったりすることもある。 僕は最後の仕上げ木工事である「建具」の製作・加工に入っている。 現場ではすでに木製枠の塗装を別の職人が完了させている。 その後壁紙の施工や床貼りを完了させ、大工が建具を取り付けていくのだが、 普通の大工なら周りを気にせずさっさと建てつけて帰ってしまうだろう。 すると、ある一つの作業だけが残ってしまう。 それが建具の縁の部分の塗装仕上げだ。 普通の現場なら塗装屋が再び入ってきて、わざわざ建具を外して、マスキングして塗装して、 粉塵を飛ばして、また建てつけ直して、最後に掃除して・・・ このようになる。 僕は誰の現場であろうと空気を読むことが大切だと思っている。 だから段取りをこう組む。 枠塗装や壁紙仕上げが進んでる間に、工場で建具のマスキングをして自ら塗装を済ませる。 それから金物取付加工も工場で完了させ。現場が仕上がるのを待つ。 仕上げ作業のからみがなくなった頃に現場へ入り、建てつけて完了。 二度と建具を外すことはないし現場も汚れない。 つまりこの「縁塗装」を誰がやるか・・・というだけで現場の空気がまるで変わってしまうわけである。 「自分は大工だから塗装は触らん!」という大工がほぼ100%だろう。 現場の空気を読み、ちょっとした工夫をこらせば誰もストレスを抱え…

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寡黙な職人ほど信用できる説

今日は他社の工場へ出向いた。 来週施工予定の現場で合計35枚の収納建具を取り替えることになっていて、 その建具製作をここへ依頼しているからだ。 建具というのは様々なデザインがあり、それを決めるのは自分の仕事だ。 今回は木目の化粧合板を主体とし、縁(ふち)を塗装仕上げする計画にした。 35枚を現場で塗装するとなると、それはもう大変な作業になってしまう。 なぜなら施主は普通に生活をしているため作業スペースも限られてしまい、 なおかつ塗料の匂いなどが部屋に充満してしまうからだ。 僕は建具屋の社長に相談し、工場の一角で塗装作業をさせてもらうことを事前にお願いしていた。 こちらの職人たちの邪魔にならないよう、離れたスペースを使わせてもらった。 この建具屋とはとても長い付き合いだ。 先代の社長が急病で他界し、現在は息子さんが引き継いでいる。 その息子さん含め4人の職人が働いている。 厳しかった先代の遺志をしっかりと受け継いでいると僕は感じる。 工場では機械の音とラジオの小さな音が聞こえている。 それ以外の話し声はほとんど無い。 時折、製作方法の確認をする会話がポツポツと聞こえて来る程度だ。 実に、寡黙である。 そして、この職人たちの技術はハンパなく高い! 僕は、彼らのことがとても好きだ。 同じ職人として信頼できる。 この工場には様々な機械が設置されている。 我が工場の10倍ほどの種類は持っているだろう。 1ヶ…

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タモの加工

あけましておめでとうございます。 今年は4日から仕事始め。 すでに各現場を進めております。 やはりスタートはここから 世持神社 今年も上を目指し、がんばります! 工場ではタモ材の加工を進めています。 美容室の内装工事に大工として参加しています。 そこへ取り付けるタモの無垢材を加工しています。 意匠的にも仕上げのクオリティーを上げたいので、 取付方法を考案し、細工を施しています。 別現場ではこんなものを組立。 昨年末から設計、製作を行っていて、本日設置が完了しました。 公共的なものですが、本土の大きな会社からのご依頼です。 いったい何をするものなのかは、公表できませんのであしからず・・・。 こういう仕事もしますよ! ということでご理解ください。 さあ! 今年も上へ上へ、 登っていきたいと思います。 ジーノクリエイションを宜しくお願い申し上げます!!

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仕事納め

毎年12月は、店舗施工の引き渡しに追われることが多かったが、 今年末は、ほとんどの時間を同業者の応援や他社の下請けとして使わせていただいた。 ホテルの棚工事もラストスパートをかけ 息つく間もなく他社現場の木工事へ参加 その現場の完成を見ることもないまま 同業者の請けたマンションリフォームへ駆けつけ 一気に2部屋の床張替えを完了させて さらに同業者が請け負った美容室の新築現場へ参加。 来年の引き渡しへ向けて加工を進めているが、 時間のゆとりはない・・・。 仕事は今日で納めると決めていたが、 大量の加工に追われながらもずっと気になっていたあの作業がまだ終わっていない・・・ そう、工場敷地の草刈り! この作業だけは、年中行事である。 来年に持ち越すことも考えた。 しかし来年いつやるの? そう自分に問いかける。 草が伸びるのに3ヶ月。 ならば今一気にやってしまえば、来年の3月いっぱいは仕事に集中できる。 今日できない加工は年明けに頑張ればいい。 葛藤のあげく、草刈り機を取り出し 4時間ぶっ通しで刈り終えた。 人にこう言われたこともある。 「誰かに頼めば?」 それだけは他人にやらせない僕の流儀がある。 この土地を無償で使わせてくれた祖父母への思い。 すでにご先祖様となった祖父母への感謝が消え…

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掛け持ち現場その1

今月はいくつかの現場を掛け持ちしています。 それぞれ大規模な工事ではありませんが、 店舗、住宅、そして工場まで・・・ 同時に管理しています。 まずはその1 同業者からの依頼で住宅リフォームに大工として参加しています。 その一部に仏壇造作があります。 最初に工場でパーツ加工をします。 ヒバの無垢材をはぎ合わせて広い天板を作ります。 圧着して一晩寝かせます。 ヒバの匂いはとても強く、体に染みつきます。 ヒバのアロマオイルが売ってるほどですからね。 しばらくは風呂に入っても消えません Σ(・□・;) なので寝ていても仕事の夢を見てしまうのです。 (−_−;)

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無垢材は痩せる

長年親しくさせていただいている 泡盛古酒専門の居酒屋オーナー様より あるご依頼を受けました。 それは、家具作家の手作り椅子をメンテナンスしてほしいというご依頼。 別の家具作家が製作した椅子をさわることなど全くありませんが、 いろいろ事情があり、僕がやらせていただくことになりました。 飲みながら座っていて気づいていたのですが、 ぐらつきが大きい・・・ たぶんあの部分が痩せて緩んでいるな・・・ 同じ職人ならばわかることです。 メンテの方法は飲み終えるまでにイメージできました。 そしてお持ち帰り。 椅子を連れて帰ります! 当時は居酒屋の定番でしたね! 琉球松の椅子。 無垢材の椅子は年を重ねると、必ず枘(ほぞ)が痩せてきます。 釘を使わずに組み合わせる部分で、一度痩せると戻らない。 さらに椅子はストレスが掛かる場所が決まっています。 そこを補強するのです。 下穴を加工していきます。 三段階に分けて、大きさの違う穴を開けます。 こうなります。 使用する金具はコーチボルト。 頭の部分を塗装しておきます。 下穴加工した部分も着色しておきます。 ボルトをねじ込みます。 一番目の穴はボルトワッシャーをフラットに収めるため。 二番目はボルトの径より少し緩めで空回りさせるため。 三番目はネジ径より2ミリ細めにして引っ張るため。 このボルト締めを、ほぞで組まれた部分全てに行…

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組み立てる

ホテルからの注文は、スタッフ用の棚と収納。 顧客の要望は「備品を隠して整理したい!」 僕のアイディアは「整理しながら使いやすくしたい」 自分がここのスタッフだったらこんなのが欲しい!という観点から設計します。 狭い通路に設置するため、奥行きをできる限り薄くしています。 明日も細かい作業が続きます。

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下ごしらえ

ホテルからの注文は途切れることなく続いています。 本当にありがたいことです。 地道に、丁寧に、ひたすら作り続けます。 ちょっと余談になりますが、 家具製作をしている時と、家で料理をしている時(たまにはやる・・・)。 僕の中では全く同じモードです。 特に材料の下ごしらえは、”食材”か”木材”かの違いだけです。 各パーツの接着が終わりました。 明日は盛り付けです。 ・・・じゃなくて、 組立に入ります。 どちらも楽しければよし!

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円形治具

ホテルからの注文品を製作しています。 いつものようにフラッシュパネルの製作から。 今回は「シナ合板」を使います。 パネルを組み立てていきます。 ヒバ材のフレームを作ります。 本体と組み合わせて一段階終了。 次に正確な円を切るための治具を作ります。 トリマに、ある工夫をして6ミリ厚の合板をくり抜きます。 使用するのは外側の部分 きれいにバリを落とします。 実際のシナ合板に治具を乗せて固定し、 トリマにガイドをセットして少しずつくり抜いていきます。 21ミリ厚の合板がくり抜かれました。 本体に組み合わせて二段階終了。 いったい何を作っているんでしょう? ホテルのスタッフさんが、必要としているものです。 これを6台作る予定です。 では、また次回・・・。

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穴あけ治具

単純作業ほど、結構疲れが出るんですよね・・・ 気合いを入れて頑張ります! 昨日仕上げた木口のエッジを研磨して整えます。 貼り合わせ面に接着剤を吹き付け 圧着します 裏面も同じように圧着 最終の目地払いをして バリや残った接着剤を拭き取り 最後にメラミンの保護フィルムを剥がして 棚板が仕上がりました 棚板は現場でブラケット固定するため、 これも作業を簡素化させます。 このようにビス止めで取り付けるのですが、 メラミンは固くてビスが通らないため下穴を開けなければなりません。 そこで次なる治具を考案します。 始めに使った治具にブラケットの下穴を開け 少し手を加えます。 棚板にかぶせて 一度開けた穴がそのままガイドとなります。 22回繰り返します。 現場では”もたもた”したくないので、 工場で出来る作業は全部終わらせます。 さあ!取付開始! すでに設置されたテレビの下に DVDプレーヤーの棚として設置しました。 なんとかギリギリ間に合った〜! 工場戻って、すぐ次の什器に取り掛かりますよ!!

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治具

我が工場では大量生産などほとんどやりませんが、 同じものを数十個作ってほしいという依頼が時々あります。 今回は来月1日にオープンするホテルからのご依頼で、 棚や什器などを多く製作することになりました。 まずは客室に設置する機器専用棚を22セット作ります。 オープン間近なので、製作速度を上げなければなりません。 そんな時、まず始めに作るのが 「治具」です。 一般の家具工場に比べて設備が非常に少ないため、 治具を考案することは僕にとってかなり重要になります。 そして一枚の治具が出来上がりました。 とても単純ですが、同じカットを何十回も繰り返すためのテンプレートとなるのです。 まず基本となる合板を22枚カット 2角を粗切りしておいて 治具と重ねます。 トリマという機械のガイドとなり すぐに曲線が仕上がります。 これを22回繰り返すだけです。 木口面を先にメラミン貼りで仕上げるため、 接着剤をまとめて吹き付け 細くカットしたメラミンを温めながら慎重に貼っていきます。 さらにトリマで目地払いという作業をして 22枚の木口が仕上がりました。 明日は天板面、裏面を仕上げます。

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壁を運ぶ

来週の突貫工事では、間仕切り壁も必要になります。 ならばそれも工場で作っちゃえ! ということで、壁も事前に製作して運ぶことにしました。 素材は「シナ合板」を使いました。 着色仕上げに向いているからです。 立てようとすると、自分の両手がギリギリ届く幅でした! あと5センチ広かったら無理だったな・・・。 これも塗装まで完了させておきます。 現場作業をとにかく減らさなければ!

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メラポリ什器

2年前に内装工事を行ったレストラン店舗をリフォームすることになり、 そこへ設置する什器を製作しています。 製作物が大量なので、同業者の木工所にも応援要請しました。 メラポリとは業界用語で、メラミン化粧板、ポリエステル化粧合板のこと。 このふたつの素材を組み合わせて家具や什器を作ります。 現場はまたしても突貫工事! 通常5日ほどかかる作業を3日間で終わらせる計画です。 24時間職人の手を止めずに進めなければなりません。 この仕事の、宿命とでも言いましょうか・・・ がんばるしかありません!

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タモとメラピのパーティション3

タモとメラピを使った理由がひとつあります。 「どういう塗装で仕上げるか」 その中でも、 着色するのか、ナチュラルでいくのか。 今回はブラウンカラーで着色することを決めていたので 色を吸いやすいこの2種を選びました。 なおかつ着色後の濃さも木によって違うので サンプルで必ず試験塗装を行います。 今回はオイルステインで着色します。 普通の大工は塗装作業などやりません。 しかし僕は全部自分で施工することがほとんどです。 最後の仕上げ工程は、クリヤーラッカーの吹き付け塗装。 次は現場にて取付施工です。

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タモとメラピのパーティション2

続いての加工は・・・ 支柱の木口にアジャスターを仕込むための穴を開けます。 こちらが市販のアジャスターボルトですが、 僕はこれに手を加えてアレンジします。 本体を黒く塗装して、接地面にクッションフェルトを貼り付けます。 それを支柱に取り付けるとこうなります。 クッションを貼り付けた理由は、あとでわかります。 今回のパーティションは幅違いの2種類3セット まずは幅の小さいほうから組み立てます。 あらかじめ加工しておいた溝へ、アクリル板を差し込みます。 こういう形になります。 次に大きい幅のほうを組み立てます。 作業台に収まらないので補助台をつけて こちらにもアクリル板を差し込み この大きさを2セット作りました。 最後にタモパネル面に飾り縁を取り付けます。 これは合板の継ぎ目を隠す役目も兼ねています。 設計の段階で予測してデザインしています。 次は、塗装に入っていきます。

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タモとメラピのパーティション

新しく開設された法律事務所からのご依頼で、 パーティションを製作しています。 まずはパーティションの支柱となる部材を加工します。 部材の厚みが決まりました。 支柱となる部材は「メラピ」という木です。 片面に溝を掘ります。 この溝の理由はあとでわかります。 框戸形式で作る計画ですが、 鏡板になる部分には「タモ」という木の合板を使います。 タモの美しい木目を強調したいので、 板目の割り付けを慎重に計算しながらカットしていきます。 鏡板の下地になる骨組みを作り 合板を割り付け通りに圧着します。 タモのパネルが3枚できました。 さらに加工を続けていきます。

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無垢ドア2

ドア本体は出来上がりました。 同時にドア枠も作っていますが、 その前に顧客の要望というのがありまして・・・ 「普通の四角じゃイヤ!」 低予算という壁を乗り越えるために僕は考え続けます。 簡単な加工で見た目をかわいくする方法を。 そして顧客の好みに近づけるため、あるデザインを取り入れます。 一枚の杉板をくり抜き加工してパーツを製作。 一対の飾り枠を作りました。 あとは現場で上手く組み合わせられるように ひたすらイメージしていきます。

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無垢ドア

ある店舗の玄関に使う無垢ドアを製作中。 やはり既製品を使うより、最初から作るほうがやりがいあります。 今日は框の仮組みまで。 余談ですが、 ここ最近からご近所の子供たちが工房前の道路でよく遊んでいます。 道路で遊ぶ理由がこれ↓ リップスティックって、言うんですね・・・? あっという間に皆うまくなっていきます。 たまに遊びながら工房を覗きにきます。 「何を作ってるんですかぁ〜」 この質問に何十回答えてきたことか・・・。 今日は男の子が寄ってきてこう言います 「失敗したら新しい木に取り替えるんですかぁ?」 ・・・ ん?なんでこの質問??? 僕はちょっとだけムカついて、 とっさにこの言葉が・・・ 「おじさん失敗しないんで!」 無言で立ち去る男の子・・・ ドラマのセリフぱくったつもりはないんですけどね。 思わず出たんですよ。 大人気なかったなあ〜・・・

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部屋を仕切る

リフォームの中でも特に依頼が多い、 部屋の間仕切り。 今回は度々お仕事を頂いている専門学校からのご依頼で、 ある一室に間仕切り壁を設けることになりました。 部屋の出入口は引き戸に決定。 まずは工場にて引き戸枠を製作していきます。 仕入れた米ヒバ材 自分の施工図通りにカンナを掛けていきます。 細かい加工を施して 仮組をしていきます。 既製品ではなく、自ら作る引き戸枠です。 前の現場で使っていた相棒(治具)は ここでも活躍してます。 予め塗装をしておいて、現場作業を減らします。 肝心の建具は、 プロの建具屋さんに依頼しました。 良いものは、手分けして作らねば!

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無垢のドア3

羽目板の仕込みが終わり、 最終の組立に入ってます。 あらかじめ仕込んでおいた框の溝に羽目板の枘が差し込まれる仕組みを作りました。 前回の作業の意味がここでわかると思います。 今度は框戸を本組していきます。 これで組立自体は完了 作業はまだまだたくさんあります。 吊り元に丁番サクリを施します。 これがドアと枠の隙間を決める大事な作業となります。 6ミリ厚の丁番を1ミリ掘った溝にセットして 隙間は5ミリに決定。 このあとはドアハンドル、フランス落とし、シリンダー加工 すべて手作業で金物を組み込んでいきます。 今回の仕事、 実は昨年知り合った家具職人 T氏からの依頼。 現場と工場で手分けして作業を進めています。 ドアの塗装仕上げはT氏へバトンタッチして、 僕は自分の現場へ向かいます。 次回はドア建付けの写真が撮れるかな・・・。

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