音を奏でるための部屋4

最も重要な部分の防音に取り掛かる。 それは窓。 まず、窓をロックした状態で隙間を全てコーキングする。 隙間風が全く入らなくなった時点で、外の騒音はかなり軽減される。 空気伝搬音を遮ったことになるが、これでは不十分だ。 例えばヘリコプターが飛んでいたとしたら、 その音は空気を伝わって窓にぶつかり、 振動音となって室内に聞こえてくる。 これが音の原理だ。 窓を覆うための石膏ボード二重張りパネルを作り、 窓ガラスおよびパネルに「ガイナ」を塗装する。 ガラス面には特殊な密着シーラーを塗っている。 ガイナを複数回塗り重ねる。 その目的は、吸音と結露防止だ。 梅雨時期や真冬に窓ガラスが結露することを誰もが経験していると思う。 その窓をパネルで覆って密閉するわけだから、その中で恐ろしい結露が発生することは 容易に予測できる。 それをガイナで防ぐわけだ。 それにガイナを塗っておけば、外側から窓を見た時に 白いフィルムが貼られているように見える。 塗装が乾いたらアルミ枠の周囲にシーリング材をたっぷり塗布し、 パネルを密着させて設置する。 これで隙間は完璧に塞がれたことになる。 そしてさらにグラスウールを詰めて吸音する。 窓枠外周のパネルとの隙間には発砲ウレタンを注入しておく。 厳重に施工できるところは抜かりなくやっておく。 …

続きを読む

音を奏でるための部屋3

天井を作っていくのだが、 使用する部品や施工法も一般のやり方とは大きく変わる。 まずは吊りボルトが特殊になる。 ボルトが2段階になっていて中間にゴムが付いているのが防振ハンガーという部品だ。 スラブと天井を縁切りして振動音を伝えないようにする目的で使う。 例えばアパートなどでは、上階で子供が走り回る時の振動音が下階に響くことがよくある。 それは固体振動が吊りボルトに伝わり、天井板まで伝達されてしまうからである。 木下地が完了した。 1枚目の石膏ボードを張っていく。 周囲の壁とは4〜5センチの隙間を作り、絶縁する。 ボードの継ぎ目をコーキングし、空気伝搬音を遮る。 1枚目を張り終えたら、さらに2枚目の石膏ボードを張っていく。 さらに木下地を設置し グラスウールを設置していく。 ここで天井にも1回目の吸音効果を備えておく。 まだ、1回目だ。 グラスウールを埋め終わったら、もう一回石膏ボードを張る。 このように防音工事は「遮音」と「吸音」の両方を行なっていかなければならない。 ここで天井作業を一旦中断し、別の作業に取り掛かる。

続きを読む

音を奏でるための部屋2

躯体壁の下地処理が終わったら、特殊な塗装を施す。 これは独自の施工法になる。 おそらく日本中で誰もやっていないだろう。 まず、通常のアクリルエマルジョン系シーラーを塗布する。 そして主材になるのがこの「ガイナ」だ。 この塗料の存在を知り、我が工場の外壁に遮熱塗装として利用したのが今から12年前。 そしてこの塗料が持つ複数の機能をスタジオ防音工事に利用したいと考えたのが今から6年前だった。 細かなセラミック粒子が含まれているこの塗料の機能は、 遮熱、吸音、防臭、防カビ、結露防止、 さらにはマイナスイオンを発生させて 森林の中にいる状態に近い環境を作り出す。 僕は自主研修として東京メーカー本社を12年前に訪問している。 それぐらい心を動かされた建築資材だったということだ。 そしてその「ガイナ」を躯体および排水管全てに塗布する。 さらに僕が経験した上での概念を詳しく説明すると 通常の住宅天井裏というのは「自然換気口」という穴が設けられている。 その理由は、天井裏が密閉空間になり空気がよどみ、生活空間との温度差も生じることで 「結露」が発生することを防ぐためである。 結露が発生する条件とは、その空間で「空気がよどむ」「隣空間との温度差が発生する」 ほぼこの2つだ。 氷水の入ったグラスの外側で結露が起こるのと同じことが天井裏でも起こるわけだ。 特に真夏…

続きを読む

音を奏でるための部屋

同時進行で進めているもう一つの現場を紹介しよう。 以前から新築で進めている「音を極める場所」とジャンルは似ているが、 目的が大きく変わる。 そして僕は名付けた。 「音を奏でるための部屋」 まずはBeforeの写真から。 ここは一般住宅だが、施主家族が趣味で楽器を演奏しておられる。 実はこの部屋で演奏されているのだが、防音工事などは一切されていない。 もちろん近隣からの苦情は免れない。 それを解決するために、僕へ依頼が来たわけだ。 設計は1年前に終わらせていたので、じっくりとイメージトレーニングをすることができた。 準備は万全だ。 そして着工。 まずは既存の壁紙を全て剥がし、次に合板や下地木材、 そして不要なキッチンなどを撤去していく。 床も特殊防音床に変更するため、全て取り払う。 躯体をむき出しの状態にしたあとは、地道な下地処理が始まる。 床の境目にブロックを積み、防音浮き床の準備をしておく。 木解体をした後に発見した既存のブロック積みの壁は 隙間を全てセメントで埋めていく。 周囲の隙間や目地に至るまで、髪の毛一本も通らないように埋める。 実はこの初期作業が最も重要になる。 髪の毛一本も・・・つまり空気がほんの少しでも通ってはいけないということだ。 これが…

続きを読む

音を極める場所3

スラブ生コン打設に向けて鉄筋型枠設置と設備配管工事が進められている。 変形の建物であるがために、型枠大工は結構苦労していたようだ。 そして無事に打設完了。 側型枠をはずして乾燥させ、スラブサポートは4週間保存する。 次は内部の土間コンクリートの準備だ。

続きを読む

大型シューズボックス 完成

そして完成した。 上部の幕板もピッタリと収めた。 上段は靴がたっぷりと収納できるように棚板も細かく設定した。 下段は旅行好きなお客様のスーツケースが収めやすいようにアンダーパネルを省いた。 オーダーメイドの利点がここにある。 そしてさらにお客様のご要望に応えた部分がこれだ。 製作中に加工していた通気口。 ご存知のように靴箱内はどこの家でも密閉になる。 お客様はそれが嫌で内部を除湿機で換気したいとおっしゃっていた。 そして既存の飾り棚に使われていた間接照明の電源を利用して、 下段右側にコンセントを設けた。 棚板全ての後ろに3センチの隙間を設け、上段と下段の継ぎ目も同様に開け、 本体中央の継ぎ目に通気口を作ったという訳だ。 これで1カ所に置いた除湿機から全体へ行き渡るようになった。 お客様のご要望が新たなアイディアとなった今回の靴箱製作だった。

続きを読む

大型シューズボックス4

完成した靴箱を現場の玄関に収めるためには、 コーナー部分にある飾り棚の壁を撤去する必要がある。 この見せる部分よりも、増えてしまった靴の収納が重要だというお客様のご要望に応えなければならない。 壁を撤去し、壁紙や床シートの補修をしながら靴箱本体を設置する。 そして本体の上の部分の隙間は幕板という部品を作って埋めなければならない。 これは現場実測をしてから工場で製作する必要がある。 サッ!と作って現場に運ぶ。

続きを読む

音を極める場所2

基礎生コンが打設され、埋め戻しも完了した。 昨年リフォームを終えた母屋の2階から、施主が状況写真を撮ってくれた。 この写真から重要なことがわかる。 普通の建物は四角で作られていくが、 この建物は90°の角が一ヶ所しかない。 敷地も元々直角ではないのだが、 それに沿うように設計している。 あえてそうした訳なのだが、 音を奏でる部屋として、この不揃いの形がとても重要になる。 壁の型枠が組まれていく。 自分も隙を見ながら貫通孔のスリーブを設置していく。

続きを読む

大型シューズボックス3

組立てが終わったら木口の仕上げに入る メラミンを貼るための接着剤を塗布 扉の木口も同様にメラミンを圧着していく 貼り終わったら目地払いをして更に面取り 扉に丁番の彫り加工を行う 本体の内側に棚柱を設置する 現場は壁の改修を行う必要がある さて、最終の段取り!

続きを読む

楽天コスメ大賞(殿堂入り)【プレミアムブラックシャンプー】