組み合わせの知恵を磨く  完成

ようやく完成した。 この大きさを一体で作ることは不可能であることがわかるだろう。 最も大きな背板を2分割することで解決できた。 引出し収納は本体とのクリアランスを最小にして一体感を持たせた。 これを2台同時に製作した。 見ての通り、この大きさのおかげで工場は空きスペースがなくなった。 運搬設置は協力業者が引き受けてくれたので、 このまましばらく保管して、僕は別の工事現場へ向かう。 すでに今回の同客から次の什器の注文が入っている。 引き続き完璧な仕上がりを目指す!

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組み合わせの知恵を磨く 3

製作工程は後半に入った。 本体パーツの加工が終わったあとは、 ストック用の引出しを作る。 最後のパーツは2種類の棚板。 各パーツの加工が終わった。 いよいよ組み立てを始める。 この左右一対の背面パネルを裏からボルトナットで接合する。 中心軸のボルト締めだけでは強度が足りないと予測していたので あらかじめ直線の振れ止めを防ぐためのL型アングルを準備していた。 更にアングルの厚み分の凹みをパネル上下に加工しておいた。 それぞれを上下に固定して左右のパネルを完全な一枚のパネルにする。 そのあと2番目に製作した本体をパネルに接合し、キャスターを取り付ける。 これで本体の組み立ては完了した。 あとはこの大物を床へ立たせる これが最初からイメージトレーニングしていた大仕事だ。 下部を少しずつ滑らせて着床させたら、次に作業台の上から引っ張りながら立たせる。 うまくいった・・・ 設計図を描く前に、この状況を思い描いていたということだ。 この広くない工場でどのようにひとりでうまく作るか・・・ それを考えるのが楽しい。

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組み合わせの知恵を磨く 2

この什器製作と同時に、リフォーム現場も1件抱えている。 年度末になるとこのような状況がよくある。 現場で自ら大工をし、下請け業者に指示を出し、 工場へ戻って什器製作を行い、 夕方には現場に戻って下請け職人の施工チェックを行い・・・etc 忙しい時期の普通の出来事である。 納期は迫っている。 頭をフル回転させ、ひたすら作り、人を管理する。 確実に、きめ細やかに。 次のパーツの組み立てを進めていく。 物が大きいが故に考慮しなければならないことは、 一人で担げる重さを重視しながら強度を保つ。 メラミン仕上げの前に直角精度を保持するため、仮補強を入れておく。 このパーツの長さが、什器の最大幅の寸法となる。 それは175センチ。 最初に作ったパーツの高さは210センチ さあ、 これを最終的にどうやってひとりで組み立てていくか。 そのイメージトレーニングは毎日続いている。

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組み合わせの知恵を磨く

受注した店舗什器はとてもでかい。 発注者の要望ラフスケッチを元に自ら設計していくのだが、 その高さも幅も大きすぎるため、うまくパーツ分けしなければ 製作できないと判断した。 設計図の承認をもらい早速作っていくのだが、 製作に入る前に僕は必ずイメージトレーニングを行う。 どういう手順で進めればうまくいくか・・・ 知恵を振り絞る。 自分の体よりも大きく、重い什器を 一人で動かせるようにしなければ作れないのだから。 ある重要な軸になる部分を先に加工しておく。 1ミリのズレも起こらないように接合するための下準備となる。 下地の骨組みを正確に組み立てていく。 下地合板を貼りながら、金属パーツも設置していく。 金属パーツを囲うように下地合板を貼っていく。 これで基礎の下地ができた。 金属パーツの深さに合わせて2段階目の下地を作る。 最後に仕上げの化粧合板を貼る。 これがパーツの1部分になる。 これを合計4パーツ作っていく。 一人で持てる大きさと重さだ。

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繊細な仕事の共

ある古い建物のリフォーム。 壁の仕上げ材料には様々あって、 天然木目の突き板合板を貼る際には 接着剤と釘を使う。 その釘のなかでも「仮釘」というものがある。 その名の通り、仮固定用の釘である。 接着剤が硬化するまでのあいだ打っておき、 のちに抜く。 縫針よりもさらに細く、プラスチック製のカバーが付いている。 僕は子供の頃からこの釘が好きなのである。 好きとはどういうことか・・・? 小学生の頃に、うちの実家でリフォームが行われた。 当時の大工さんの仕事に興味があった僕は、 大工さんが休みの日に、床の片隅に転がっている 「仮釘」を見つけた。 当時はそれが何なのかわからなくて、 数個を拾い集めてずっと眺めていた。 子供ながらに緑色の不思議な形に想像力を掻き立てられて 壁にくっついた仮釘を見ても、何の役割かわからないまま ずっと遊んでいたのを覚えている。 そして大人になり、建設会社に入社してから初めてその役割を知ることになったわけだ。 しかしここ最近、この釘を使用している風景を 見ることがなくなったような気がする。 その理由はわかっている。 「エア工具」という物が世の中に普及していき コンプレッサーを使った自動の釘打ち機が主流となり、 大工自体が面倒な作業をやらなくなったのである。 しかし僕は今でもその「仮釘」をあえて使っている。 僕自身も以前は「…

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コロナウイルスから飲食店を助ける方法

言うまでもなく、深刻な状況となっている飲食店。 今から9年ほど前に僕が作った飲食店からご依頼が来た。 客の9割以上が外国人で主に米兵が多い。 店のオーナーからの相談は、 「三密を避けるため、屋外のみで営業したい・・・。」 そしてリフォームを計画した。 表のコンクリート土間は以前駐車場としていたが、 ここ数年の間にスタッフさんがテラス席を作った。 外国人客が大勢来るため、席数を増やすためだったのだろう。 素人さんながらも頑張って作った形跡がうかがえる。 僕の仕事はこのテラスの拡張である。 当初から屋根は入口部分にしかない。 屋外のみで営業するには雨をしのぐ屋根も増設しなければならない。 しかしながら僕は1級の資格を持っているのでこれが違法になることも知っている。 でも、助けたい。 そして建物の大家さんに告げた。 「もし指摘された場合、全ての責任を取っていただけますか?」 もちろん家賃をもらっている大家さんも店を助けたいと思っている。 コロナから店を助ける方法はこれ以外にない。 そして実行した。 リニューアルオープンのあとランチタイムに訪れてみたら、 外国人が列を成していた。 どうか復活してほしい・・・。 今回はプライバシーを守るため、写真を多く載せないことにした。 僕は長年多くの飲食店へ通い、オーナーさんと交流しながら自分の仕事に生かしてきた。 だから全て…

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2021年を迎えて

あけましておめでとうございます。 昨年の今頃は特別な場所で新年を迎えていたために、ここを訪れていなかった。 それから仕事に復帰する頃には、コロナウイルスが瞬く間に世界を覆っていき、 ソーシャルディスタンスという今まで使ったことのない言葉が、 人との距離を遠ざけていった。 そんな状況の中でも多くの仕事を実行させていただき、 深い感謝の気持ちでこの新年を迎えることができた。 そして2年ぶりに訪れた「世持神社」 以前とは雰囲気がまるで変わっている! 2年前まではひっそりと、まるで人に知られたくないような佇まいだった神社が 目に飛び込んでくるような幟をたくさん立てて人々を招き入れていた。 それから石段を登っていくとピンク色の提灯が華やかに整列していた。 コロナウイルスで様々な業種が苦しんでいる中、 応援してくれているような気がした。 野國総官、儀間真常、祭温。 この3人の偉人たちが沖縄の産業発展の基盤を作ってくれた。 わたしたちはそれを受け継いでいかなければならない。 この地球規模の試練を乗り越えるために、 わたしたち人間はもっと知恵を振り絞っていかなければならないだろう。 自分の仕事がこれから何をもたらすべきなのかを改めて考えなければならない、 そういう年になるだろう。 人を幸せにするものづくりを ずっと続けていきます。

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自分の技術を人のために使う

今日は仕事以外での出来事を書いてみようと思う。 僕のアシスタントは日曜大工が趣味で普段は自宅のガレージで家具製作をしている。 先日仕事以外で会う機会があったのだが、帰り際にある質問をしてきた。 「テーブルを作りたいんだけど、 どんな材料を使った方がいいか教えてほしいんだよね。」 そのテーブルは丸テーブルだという。 ネットで拾ったイメージ写真も見せてきたので それを見ながら僕はある程度のアドバイスはしたのだが、 それが彼女にとって簡単なものではないということは すぐに”お互いで”認識できた。 普段の仕事や友人としての付き合いの中でアシスタントが何を言わんとしているかを 容易に知ることができていた僕はこう言った。 「手伝おうか?」 そう言ってくれることを待っていたのよ! という気持ちを隠すように、アシスタントは 「ホントに〜!!」と、満面の笑みで答えた。 そして僕はある材料が余っているからよければお安く譲りますよ、と言い 彼女の製作に関する方向性を聞き出していった。 それに軽くアドバイスをしながらいくつかの問題点を指摘していった。 その会話中、僕はある意図を持っていた。 ”できるだけ自分で考えさせて、悩ませて、最終決定を本人にさせる。” それから1週間後に再び会ったのだが、 アシスタントはすごく良いアイディアを生み出していた。 それが我々プロでも思いつかない内容だったので、 僕は成功につながるための重要なア…

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自ら施工をする理由

建物の屋上というのは常に風雨と直射日光に晒されていて、 外壁の中で最も過酷な状況にあると言える。 特に増築工事などで”繋ぎ目”を含んでいる建物は その部分でコンクリートの伸縮が一年中起こっていると思っていい。 よってどんなに厳重な防水工事を行っても、いつかは劣化して切れ目が生じてしまうことがある。 その防水工事はもちろん塗装屋が行うのだが、 僕はそれを現場監督として指示をしながら完了まで見届ける。 これまでに多くの防水工事現場に立ち会ってきたが、 設計監理者も我々施工者も、あるひとつの材料を使うことを常識としていた。 それが「ウレタン塗膜防水」である。 ウレタン樹脂塗料と硬化剤を混合し、ウレタンゴムの塗膜を作る防水工法だ。 それはもちろん「油性」である。 ”雨漏りを防ぐには水を彈く油性の材料を塗る” これが常識的な考え方だった。 しかしウレタンゴムという素材は紫外線にとても弱い。 それでウレタンの上にそれを保護するための「トップコート」という 仕上げ塗料を被せるのだが、それでも数年経つと劣化が始まってくる。 さらにウレタンゴムは最初は水に強くても、劣化すると水に弱くなるのだ。 それは様々な現場で経験してきた。 だから数年ごとに塗り替え工事が必要となってくるわけである。 今から2年前、顧客の施設の雨漏りを改修する依頼を受けていた。 そこで僕は悩みながら当時付き合いを始めていた塗装屋に相談した。 すると彼が今まで見たことも…

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誰のために仕事をするのか

スタジオの施工に没頭している頃、 僕はあることがきっかけで過去に読んだ雑誌を自分の本棚から引っ張り出してきた。 これは2013年3月に発行された「PRESIDENT」 2010年、世の中を驚かせた「JAL」の倒産はまだ記憶に新しいと思うが、 そのJALを見事に再建させた人物といえば、 我々事業に携わるものとして知らない人はいないだろう。 経営の神様 稲盛和夫である。 当時この表紙を書店で見るや否や購入して読んだのを覚えている。 それを再び読みたくなったのは例の日曜ドラマの影響である。 ○○航空の経営陣を叱る直樹の勇気ある行動は、 この3月号に掲載されている「稲盛和夫会長」の言葉とほぼ同じだ。 ドラマの中で何度も発言する直樹の言葉 「お客様のため」 これに勝るものはないと思う。 僕が「松下幸之助」を心の師としていることは以前にも書いたが、 独立してから苦境に立たされている頃は松下幸之助の本を とにかく夢中になって読んでいた。 まだまだ未熟だった自分は、様々な人に裏切られるという経験を何度もした。 特にお客様から裏切られたときの悔しさは今でも忘れない。 その度に本を読み漁り"これは修行だ"と耐えてきた。 そんな中「京セラ」の創業者である稲盛和夫さんに興味を持ち始めていたのだが このJAL再建のストーリーを知り、松下幸之助に継ぐ経営の神様が 稲盛和夫…

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